久しぶりにClinicalな話題を金曜日の夜に・・・。
俺が初めてClinicに来た時から来ているおばあちゃんが一人いる。肩のimpingementの症状で、PTをしているのだけれど一向に良くなるどころか、逆に肩の周りのあちこちに強い痛みを訴えるようになってしまった。ちょっと触っただけで飛び上がるほどの痛みだ。ついでに股関節も痛むらしく、それはそれで別の医者に見てもらうことになったらしい。肩関節自体は良くなってきているのだろうが、upper trapを始め、肩鎖関節まで痛み出す始末でほとんどリハビリが進んでいかないのだ。こないだも俺がちょっと触って肩甲骨の動きを確認しようとしたら泣き出すほどの痛みだったらしく、申し訳ないことをした。
おばあちゃんは糖尿病なので、ただでさえ患部が治りにくいのだが、どうもそれだけじゃ無さそうだ。既往歴をちゃんと見ていなかったおれもいけないのだが、どうやらfibromyalgia持ちだということが今日になって分かった。何度か名前は聞いたことがあったけど、なんだか分からなかったので、調べてみた。
詳しくは日本語では
こちらへ。原因不明、効果的な治療法不明の病気だが、広範囲の痛みを3ヶ月以上伴い、最低でも指定された体中の18箇所から11箇所以上が4kgの圧力で痛みを伴うとFibromyalgiaと診断されるらしい。血液検査や映像診断でも異常は見当たらず厄介なのだが、最近では神経伝達物質のseratoninの量が激減していたり(女性にこの病気が多いのはもともと女性のseratoninの製造量が少ないからと言う説もある)、軽い鬱状態にあるという説が多い。ストレスや不眠はその典型的な例だ。
よく考えてみると彼女はPTクリニックで痛くて泣いたり、今日なんてクリニックに入ってくる前から泣いてたし、ちょっと精神的に参っているのかもしれないなんていう節はあった。どんなに痛くてもリハビリはやらなきゃいけないと無理してしまう健気なおばあちゃんなのだが、どうもストレスがたまってしまっているようだ。家庭で何かあるのか、それともimpingementがストレスになっているのか、体が思うように動かないストレスがfibromyalgiaを引き起こしているのかもしれない。
カウンセリングはもちろん、alternative therapyや抗精神剤なども効くらしいし、とにかく心のケアをしてあげると良くなる症例もあるみたい。来週はレンジャースが帰ってくるから会えないけど、次回に合う機会があればなんとかその辺について触れてみたいと思う。こんなことしたらまた首を突っ込みすぎるのかもしれないが。
トレーナーとして心のケアが出来るように、って高校生の時に思ったものだけど、現場の心のケアとは違うケアが求められていると思う。こういう基本に忠実にならなければいけないところなんかはリハビリのプランとかと一緒でよくATの教科書で見たものだ。スポーツの現場ではそんなこと言ってられないっていうのがあったけど、やぱりATの教科書たちはPTがベースなんだなと最近良く思う。
さて週末、非常にプランを練るのが下手くそであったためちょっと予定が立っていない・・・。困ったのぅ。